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【スペイン】アルハンブラの夜のナスル宮

夢か幻か、私は今意識があるのだろうか。。。
この空間にいると地に足がついていない、自分の足が浮いているかのような錯覚に陥ります。

グラナダ・アルハンブラ宮殿のナスル宮はグラナダやアルハンブラのみならず、アンダルシア最大の見どころです。
ナスル宮への入場は有料で、しかも事前予約をする必要があります。非常に人気のある場所なので、予め予約しておかないとせっかくグラナダに来たのにナスル宮を見ずに滞在が終わってしまうことになりかねません。
現に私もナスル宮の入場チケットが取れずに、アルハンブラ滞在の日程を強引に変更する事態になりました(笑)

短くなったグラナダへの滞在スケジュールですが、ナスル宮のナイトツアーとデイツアー両方に参加できる予定を組みました。
時間の関係上、グラナダ滞在初日はナイトツアーに参加することになりました。

美しいことは分かっていましたが、これほどとは。期待以上でした。
まさに圧巻の装飾、まるで小宇宙に誘われたかのような感覚です。

私は信者ではないですが、イスラム教の建築はどの宗教の建築物よりもデザインが細かく、壮大なコンセプトのもので世界で最も美しい宗教建築だと思っています。
一神教で偶像崇拝をしないイスラム教では、宗教観をこのような幾何学で複雑な模様の組み合わせで表現しています。もちろんデザインだけでなく、色使いも目を見張るものがあります。

 

イスラムにとって太陽よりも重要なもの、それは月や星です。
私たちの環境では太陽は「恵の光」ですが、イスラム圏である中東や北アフリカでは灼熱の太陽は日本の役割と異なり逆に脅威となる存在です。太陽のエネルギーが収まった夜には安らぎが与えられ屋外の活動の自由が保障されます。人々はそこで様々なことを語らい、星を見て未来を考えました。
イスラムにとっては夜空に輝く月は”ものごとの発展”を意味し、星は”大いなる知識”を意味する重要な存在です。

ナスル宮の天井に見えるこれらのデザインは月や星を表現しています。

まるでひとつずつ精巧に造られたピースが大きな宝石が天井に構成されるようにまとまり、それが地上に降って来ているかのような感じです。ツアーの人々は皆天井装飾を眺めています、そう、夜空で光る星を見るかのように。

イスラム教では水は「神からの贈り物」であり、神の存在・偉大さ・独自性の象徴と認識しています。
神はこの恩寵である水を、人々の生活で関わる水である雨や川や海水、淡水などを通して熟考するよう促します。

砂漠の民であるイスラム教徒には水は掛け替えの無いものです。ここグラナダは後ろにある聖なる山・シエラネバダの源流の恩恵を受け水が豊富です。

グラナダの地、アルハンブラを治めたイスラムの王たちは、水をあがめ、多くの噴水、滝や池を設け豊かな宮殿であることを表現し、星空をモチーフとした天井装飾はまるで砂漠で星を頼りに生活をする民族の独自性を表現しています。

このナスル宮では庭や床のデザイン、壁や天井を埋め尽くす幾何学模様の装飾がイスラムの宇宙観を見ることができ、単純に美しい芸術としてだけではない、天文学に通づるより深い知識の元に造られた模様であること気づかされます。

ひとつひとつの装飾が細かすぎて圧倒されながらナイトツアーの時間があっという間に過ぎて行きました。

両方行った私の感想ですが、ナスル宮のデイツアーよりもナイトツアーの方が、イスラムにとっての月や星の位置付けを想像できたので本当に良かったです。
ナスル宮のナイトツアーで訪れれば、参加した人全てに「夜のナスル宮は特別」と思えるような空間を提供してくれはずです。

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