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【スペイン】アルハンブラ宮殿ーカール5世宮殿

スペインを訪れて必ず登場する、ヨーロッパ史においても重要な人物・カール5世はハプスブルグ帝国の最盛期に君臨した大皇帝です。
カール5世はハプスブルグ家出身ですが、後にスペイン国王となり、スペインではカルロス1世と呼ばれています。
カール5世の力は凄まじく、大航海で新大陸やアジアにまで勢力を広げて「太陽の沈まない国」と称される世界帝国を築き上げました。

実はこの皇帝はオランダとの繋がりがあり、当時ハプスブルグ帝国の支配下にあったオランダ・ネーデルラントの領主とカスティーリャの女王の間に生まれました。生まれは現在のベルギーの都市ゲントで17歳までネーデルラントで過ごし、その後スペイン入りをしました。

ヨーロッパを旅行すると建築やヨーロッパ美術の題材にもよく見かけるカール5世ですが、このアルハンブラ宮殿内でもカール5世宮殿と言うものがあります。

グラナダ陥落した際にアルハンブラ無血開城が行われました。ここからはアルハンブラ宮殿もキリスト教のものとなります。カール5世がこの地に降り立った時にはすでに完成した宮殿であったアルハンブラですが、後にキリスト支配下となった各地のイスラムの宮殿や要塞と同様、三角の塔をキリスト教のシンボルとして建てられます。以前訪れたアンテケラの要塞でも同様のことが行われています。

このカール5世宮殿は16世紀にイスラム建築に負けない建築として造られた宮殿です。残念ながら建設完成する前にカール大帝本人は逝去してしまったために建設も未完のままという事です。

私はナスル宮のナイトツアーの時間前に訪れました。ヨーロッパで良く見かけるどでかい長方形の立体タイルが綺麗に積み上げられたようなのような外観で、イスラムの建築とは明らかに異なります。

地図を見て確認していませんでしたが、これがすぐにカール5世の宮殿であることが分かりお邪魔してみました。

中は非常に静かで入って良いのか遠慮しそうなぐらいの雰囲気でした。

そして入ってみると、内部の空間の造りが独特で驚きました。

建物が中心から外に向かって開放した円錐状の空間に作られていて、まるで円形闘技場、またはモダンなコンサートホールかのような印象を持ちました。

ずっと続く回廊、終わりのない永遠性を表したのでしょうか。

しばらくこの回廊を歩いて見惚れましたが、思わず1周半してしまいました。綺麗な完璧なシンメトリです。

カール5世はこの建物が完了した時には、どのようなことを行うつもりだったのでしょうか。

素晴らしい時間でした。思わずナイトツアーの時間を忘れそうな体験でした。

私はルネサンス建築やヨーロッパデザインも大好きですが、イスラムの飾られていない無機質でシンプルな四角形の外観、外側と内側の結界の役割のような壁の造り方、そして内部や門に使われる数学的な半円のアーチのデザインがノスタルジック感を彷彿させてくれて大好きです。
レコンキスタ後にキリスト教徒は四角のイスラム建築に天辺に三角の塔を立てていますが、征服のシンボル的に置いてあるだけのものは、写真を撮る時に姿的にいらないなぁと思ってしまうこともあります。

でも、この宮殿のようにイスラム建築を芸術の一部として捉え、それ以上のものを創ろうとする感覚があるような建築は素晴らしいですし、アルハンブラ宮殿内でこのような異質なものを上手く同化させている事例はさすがヨーロッパ(キリスト教)だなと思いました。

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